被災地で進む新しい挑戦や地域の魅力を特集記事で紹介します。

「きっかけ食堂」は、毎月欠かさず東北に思いを馳せる場として開き続け、それまで縁のなかった人たちが東北に目を向けるきっかけをつくっている。「東北のことを知ってもらう」という本来の目的は、十分に果たしているといっていいだろう。

食を通して、東北を知るきっかけにしてほしい。そうした願いを込めて、京都で毎月11日に営業しているのが「きっかけ食堂」だ。魚介類や野菜、地酒などの食材を被災地の生産者から仕入れ、東北の食を提供することで、東北に思いを馳せ、さらに現地の人たちとのつながりを生み出そうという試みだ。

愛さんさんグループを率いる小尾勝吉さんが東北復興にかかわり始めたのは、石巻みなと小学校近辺にボランティアとして派遣されたことがきっかけだった。仮設住宅に住む人に挨拶をしても、さっと家の中に引っ込んでしまう人が少なくなかった様子を見て、被災した人たちが外に足を踏み出すきっかけをつくりたいと考えた。