農業生産法人 株式会社GRA 代表取締役CEO 岩佐大輝
1977年、宮城県山元町生まれ。東京の大学に在学中、24歳でITベンチャーを起業。東日本大震災後、当時通っていたグロービス経営大学院の仲間を引き連れ、山元町でのボランティアツアーを企画・スタートすると、町の特産品であるイチゴの生産を開始。2012年1月、農業生産法人株式会社GRAを設立。同年9月、ICTを活用した最先端の農場を建設し、翌年1月には1粒1000円の「ミガキイチゴ」を開発するなど高付加価値のビジネスモデルを構築。インドにも農場を構え、事業展開している。同時に、ボランティアツアーから派生したプロボノ組織として2012年6月にNPO法人GRAを立ち上げ、人材育成などのプロジェクトも展開。2012年に日経ビジネス「日本を救う次世代ベンチャー100」、2013年に週刊東洋経済「新成長ビジネス100」、「日経ビジネスが選ぶ日本のイノベーター30人」に選出。2014年、「ジャパンベンチャーアワード」で「東日本大震災復興賞」を受賞。著書に『99%の絶望の中に、「1%のチャンス」は実る』(ダイヤモンド社)、『甘酸っぱい経営』(ブックウォーカー)
ー”あれから” 変わったこと・変わらなかったことー
「東北オリジン」の経済圏とプレイヤーの出現
1000年に1度の大震災と言われるように、被災した東北の各地域には1000年に1度あるかないかという僅かな確率で、都会など他の地域や人々との交流の機会が生まれ、今までにない新しいプロジェクトが次々と立ち上がった。つまり、これまで東北にはなかった新しい考え方をもつ人々が入ってきて、東北の価値や可能性の花を咲かせてくれた。同時に、東北の人たちも自分たちがもつ資源の価値を見直したのだ。
(2017年9月20日掲載)