一般社団法人Bridge for Fukushima 代表理事 伴場賢一
1970年福島県生まれ。大学卒業後、銀行員として勤務した後、国際NGOに転職してカンボジアやザンビアなど途上国の緊急支援・開発援助などに長く携わる。東日本大震災の発生直後に帰国し、数日後に現地入り。福島市や南相馬市、相馬市などで緊急支援物資の配布やボランティアツアーの企画、県内NPOと企業とのマッチング支援などに奔走。2011年5月、一般社団法人Bridge for Fukushimaを設立。長期化する復興には将来を担う若い世代の活躍が必要と考え、新たに県内の高校生を対象にしたリーダー人材育成プログラムを開始。学校やNPO、企業などと連携しながら、様々な社会課題解決プロジェクトを立案・実施している。このほかにも、県内で復興支援や社会課題解決に取り組む事業者に大学生を送り込むインターンシップや、起業家を育成するプログラムなども実施。また、東京などの企業を対象に、リーダーシップを養うための社員研修ツアーなどにも取り組んでいる。
ー”あれから” 変わったこと・変わらなかったことー
「復興」とは何か。5つの指標で定義
震災からの約6年間、ずっと考え続けていたことがある。それは、「復興」とは何か、どういう状態になれば復興したと言えるのか?ということだった。僕らは5つの指標で「復興」を定義することにした。
その5つとは、道路や港、住宅など主にインフラ整備の「物理的復興」、個人において経済的・心理的に自立した状態を指す「人的復興」、復興特需を終え自立した経済が循環した状態の「経済的復興」、地域の文化やコミュニティの再生などを意味する「社会的復興」、そして森・海・川などが自然の状態に戻る「自然の復興」だ。この5つがすべてそろって初めて、「復興」と言えるのではないか。
(2017年12月19日掲載)