Fw:東北 Fan Meeting 移住コーディネーターのためのふるさとワークショップ イベントレポート
「ふるさと」をキーワードにして関係人口や移住の視点を考えるトーク形式のワークショップ「移住コーディネーターのためのふるさとワークショップ」を開催しました。このワークショップでは、人々が「ふるさと」という言葉に込めている内容について、参加者同士で会話を交えながら考え、言葉の再定義を試みることで、関係人口拡大や移住促進の活動に必要な視点を養います。「ふるさと」というキーワードで自分たちの地域のアピールポイントを探すことができたり、共通のテーマで語り合いながら、他地域の移住コーディネーターとの交流機会を作れたりすることを目的として開催されました。
セッション1
セッション1では、ふるさとのイメージを広げるために、「ふるさと」という言葉を聞いてそこから連想できることをZoomチャットにたくさん書き出すワークを実施しました。
このセッションであげられた単語・フレーズは176種類で、便宜的に整理すると下記のとおりです。
ジャンル | 挙げられた単語・フレーズ |
---|---|
人 | おじいちゃんおばあちゃん、おじいちゃんのにおい、ばあちゃん、ガキ大将、意外にすごい人いる、家族、会いたい人がいる、学校の先生、旧友、笑顔、親戚、祖父母、知り合い、仲間、友達、幼馴染 |
もの | いなご、うさぎ、お布団、かえる、かかし、からす、かんてん、せみ、つけもの、とんぼ、ジャージ、チェーンソー、家庭料理、軽トラ、犬、実家の煮物、新幹線、草刈り機、虫、長靴、日本昔話、蛭、風鈴、和食、藁 |
こと | お祭り、お墓参り、げんこつで先生に怒られる、まつり、やたら走らされた、駅伝、歌、花火、学校、帰省、祭、山菜取り、自転車の手離し運転、蒔、小学校、正月、青春、雪かき、草刈り、葬式、虫取り、通学路がたのしい、登下校、怒られたり、同級会、童謡、焚火、放課後、林間学校 |
風景 | 緑、あぜみち、いつでも思い出せる景色、コンビニの広い駐車場、ダム、ツリーハウス、マックがない、稲穂、駅まで遠い、縁側、海、街並み、学校遠い、季節を感じる、空き家、空気がきれい、原風景、山川里、自然、自然豊か、実家、商店街、雪、川、川がきれい、庭が広い、田んぼ、田園、田園風景、里海里山、里海里山、路面電車 |
感情 | ありのまま おちつく、すき、なつかしさ、におい、ほっこり、安心、安心できる、懐かしい、感情をありのまま出せる場所、帰ってきたと思える、帰りたい、帰りたいと思う、帰る場所、気を張らない、記憶、休まる場所、居場所、原点、最高、思い出、思い出がある、思い入れ、思い入れがある、実家の匂い、心のよりどころ、心癒される場所、素、素でいられる、美化される場所、忘れられない場所、癒される、落ち着く、落ち着く場所、力が抜ける場所 |
気質 | あたたかい、うわさ、おすそわけ、おすそ分け、おせっかい、だらけきった場所、つながり、のんびり、やさしい、ゆったり時間、アナログ、マニアックな感じ、近所づきあい、近所の繋がり、近所の人に必ず挨拶、近所付き合い、古き良き、人とのつながり、人伝て=最速、昔ながら、暖かい、地域に見守られている感じ、地域のあたたかさ、廃れた感じ |
その他 | はだし、ターニングポイント、ヒマ、夏、夏休み、故郷、子供の時と大人になってからだと感じ方が違う場所、車が必要、出身、出身地、生まれたところ、田舎、背景、秘密、方言 |
セッション2
セッション2では「トークフォークダンス」という形式で、参加者同士が相手を変えながら1対1で話していくワークを1回あたり9分で合計4回実施しました。,内容としては「ふるさと」で浮かんだ言葉のうち、自分の気になるものを取り上げて相手に伝えたり、自分はこんな風に考えたという意見を交わしたりするものとなりました。中には、エピソードトークであったり、なぜ自分はふるさとについてこのような意味を込めているのだろう、という問いかけを相手に話したりする参加者もいました。
セッション3
「ふるさと」で簡単な作文をするワークが行われました。「私にとってふるさととは( ① )です。私が暮らす町でふるさとを感じられるポイントは( ② )です。」 という定型文の穴埋めが行われました。このセッションでの穴埋めは下記のとおりです(複数回答者あり)。
私にとってふるさととは○○○です。 | 私が暮らす町でふるさとを感じられるポイントは○○○です。 |
---|---|
原体験が生まれた場所 | 海と山を一緒に眺められる堤防の先端 |
誰かに見守られているを感じる場所 | どこにいても知り合いに出会って、知らなくてもすぐ仲良くお酒を酌み交わせるところ |
良い記憶と悪い記憶 | NANAMARUNI COFFEE |
ありのままの自分で居られる「人」と「場所」があるところ | 個性的な人たちとゆるく繋がり合うことができること |
「思い」が詰まった場所 | 地域の人との思い出があり、自分の中で簡単に切り離せない思い入れがあるところ |
帰ってきたと思えるところ | 頼れる人、助けてくれる人がいるから |
自分をリカバリーしてくれる場所 | 広い海と空 |
帰りたいと思える思い入れのある場所 | 暖かく受け入れてくれるクセになる地元の人たち |
気持ちが安らぐ場所 | ご近所さんからおすそ分けとたわいもないお話でほっこりできるところ |
人と人のかかわり | 人の顔が見える距離感 |
五感を育ててくれた場所 | 喜びを共感できる場所 |
息抜きできるところ | あたたかさ、居場所がある、つながり |
人とのつながり | 日常生活(特に畑仕事、草刈り)で地域の方々が一緒に活動すること |
今は離れていても気になる場所 | 慣れてくると人懐っこくなる地元の方々 本当は来た人自身に見つけていただきたい |
そこはかとないなつかしさ | いつの時代からあるのかわからないような古い家並みと田園風景 |
記憶に残る情景です | 地域の人たちが集まる場所 |
誰かがいると感じられる場所 | 登下校を見守ってくれている地域の人が挨拶してくれる時 |
セッション4
最後のセッションでは、セッション3で作成した文をいくつか読み上げることにより、内容の共有を行いました。ワークを通じて、移住や関係人口の活動に従事している方の「ふるさと」に対する考え方を言語化し、広げることができました。
参考リンク
- • ふるさとワークショップ進行スライド(本スライドはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0国際)で提供されています。)
会議概要
- 日時:2023年5月29日(月) 19:00-20:30
- 形式:Zoomミーティングによるオンライン会議
- 参加者数:14名
- 主催:復興庁
- 企画運営:エイチタス株式会社