Fw:東北 Fan Meeting 東北デジタル創生塾 Vol.2 「女性活躍で進める地域のDXの担い手育成」

Fw:東北 Fan Meeting 東北デジタル創生塾 Vol.2 「女性活躍で進める地域のDXの担い手育成」イベントレポート


地域でデジタル化を進める際には、経験不足、人材不足などの課題があり、地域で人を育て、経験を積む機会を作ることが不可欠です。
福島県内で女性の新しい働き方を提唱している郡山市の株式会社ケイリーパートナーズは、女性活躍で進める地域のDXの担い手を育成しています。代表取締役COOの鷲谷恭子さんは、地元郡山市から東京での大手企業の勤務などを経て、2009年に地元へUターン。子育てや東日本大震災の経験から、地域で様々な支援活動を重ね、ケイリーパートナーズを起業しました。
同社では、主に福島県内の企業・自治体に向け、自社の女性スタッフがともに経験を積みながら、DX導入のノウハウとプロセスを新たに構築する取り組みも進めています。
今回の「東北デジタル創生塾」では、鷲谷さんの挑戦から、女性の働き方改革と、地場の中小企業のDX化推進のプレーヤーづくりを両立させる方策を検討し、デジタル化を加速させる新しいスキームづくりについてディスカッションしました。


インプットトーク

鷲谷恭子氏(株式会社ケイリーパートナーズ 代表取締役/COO)

福島県郡山市出身の鷲谷さんは、東日本大震災後にキャリアがストップしてしまった女性を沢山目の当たりにしたそうです。鷲谷さんは子育てをする女性の再就業支援を目指し「1日2時間から働ける」自由度の高い生産性とスキルを上げるビジネスモデルを構築され、2019年5月に「2hours(トゥーアワーズ)」を開業。同年10月に、子育て真っ最中の女性たちがワークシェアリング業務を担う「株式会社ケイリーパートナーズ」を設立します。
スタートは、子育てをする女性が短時間、在宅で働ける「働きやすさ」を作る社内整備のためのDXを推進されました。現在、より高いレベルの仕事にチャレンジして成長実感を得られる「働きがい」を作るDXにつながっていると感じているそうです。
働き方改革でつながっていたDXが、地域の中でDX活用の価値提案できるように「ケイリーパートナーズ」のアウトソーシングの取り組みが寄与できればよいと考えているとのことでした。
とくに行政の働き方改革が必要性を感じているそうです。DX推進によって住民サービスの直結だけでなく庁内の働き方改革でもDXを進めていく時期であり、官民連携の中で自分たちが寄与できれば良いと思っていると、コメントしてくださいました。


市川博之氏(総務省 地域情報化アドバイザー/デジタル庁 オープンデータ伝道師/市川電産CEO/シビックテックラボ 代表理事/東京造形大学特任教授)

市川さんは、業務改革集約からのアウトソースについて説明してくださいました。まず「自治体DX」に必要なのはデジタルを導入することではなく「マインドチェンジ」だと指摘されました。
アウトソースは単に仕事の移動ではなく、「業務改革」とセットで考えるべきであり、専門性と効率化によって社会福祉などを含めた地域の継続性、余力を残すためにDXを行う必要があるとのことでした。
また、アウトソースはデータ化、デジタル化の順番で行うことによりDXができあがること、データを作るだけではなく、データマネジメントの必要がありコンサルティング業務とセットで考えることが大切だそうです。
さらに、業務改善と業務改革の違いについても説明されました。「業務改善」は今ある業務の悪い点を直すこと、「業務改革」は今の業務を否定して作り直すことであり業務フローを抜本的に変えること、競争力があるのは「業務改革」であり地域で「業務改革」を行うことを勧めたい、とのことでした。
地方は都会より合意が取りやすいので、そうした強みを活かしていくのが良いのかな、とコメントしてくださいました。


トークセッション


ファシリテーターの原亮(エイチタス株式会社)を交え、登壇者とトークセッションが行われました。
市川さんは「デジタルはツールでしかない、地域のやりたい想いを相談できる間柄を構築することがとても大事」と指摘します。デジタル化する前に、まずビジョンを作り、本当にやりたいこと「うれしさ」を達成するためにどのように仕事を変える必要があるかを一緒に考えるそうです。
ワークショップを行い課題の構造化や何を目指すかを言語化して可視化することにより効率よく進んでいくので、DXの入口として最初に合意形成し共有することが大切だとのことでした。
DXは「X」トランスフォーメーションだけでも解決する場合もある。何が本質的な課題で直したいものなのかを明確にすることが重要であることが示されました。


登壇者と参加者との交流タイム

登壇者と参加者との交流タイムでは、参加者から「お話を仕事に活かしていきたい」「この回に出て良かった」「バイタリティに学ばされました」等の感想が寄せられ、盛況のうちに会が終了となりました。

参考資料


会議概要

  •  日時:2022年7月13日(水)19:30-21:30
  •  形式:Zoomミーティングによるオンライン会議
  •  参加者数:25名
  •  主催:復興庁
  •  企画運営:エイチタス株式会社