Fw: 東北Fan Meeting 2023 Cheer Up! Project Vol.2「う米めん」で実現する安心安全でおいしい食卓 〜子どもが喜ぶグルテンフリー食材の拡げ方とは

Fw: 東北Fan Meeting 2023 Cheer Up! Project Vol.2「う米めん」で実現する安心安全でおいしい食卓 〜子どもが喜ぶグルテンフリー食材の拡げ方とは イベントレポート


 無添加・グルテンフリーの食材として、福島県産米を使った米粉麺「う米めん」が、福島県内でも販路を広げ、ネット通販などでも好評を博しています。
 この商品をリリースしたのは、福島県天栄村に本社を構える精密機器メーカーのアルファ電子株式会社です。代表取締役の樽川千香子さんは、ご自身の東日本大震災での避難生活での体験から、アレルギーのあるお子さんでも、おいしく食べられる麺を世に拡げるべく、機能面と食感や味の両方を研究し、「う米めん」を商品化。
 「う米めん」を通じて、子どもたちが安心安全で、おいしく食べられる食卓づくりへの貢献を拡げるために、応援の輪を大きくするために必要なこととは何か。食の専門家として、「食育愛情料理家」で株式会社フードコミュニケーション代表取締役のなぎさなおこさんを迎え、みなさんと一緒に考えました。


プレゼンテーション
挑戦者 樽川 千香子 さん(アルファ電子株式会社 代表取締役社長)

 「アルファ電子株式会社」は、これまで培ってきた「ものづくりサービス業」をベースに「電子部品の受託製造」と「食・農業六次化」の融合によって地域に貢献できるような会社を目指してきました。樽川さんも、介護の仕事を経て学んだ食べることの大切さ、娘の乳幼児食物アレルギー発症、大病を患った経験などから、家族みんなが笑顔でいられる食卓を作りたい、と考えていた中で、米粉との出会いがあったそうです。2019年から米粉麺の開発をスタートし、科学的根拠に基づいた美味い麺、「う米めん」が販売されました。「う米めん」の原材料は80%以上米粉で、でんぷん添加量が20%程度、着色料・添加物無添加で常温での長期保存が可能です。現在は、自社で米粉麺製造工場が設立され一貫生産体制を構築しています。学校給食での提供も始まりました。
 販路拡大に向けて、「健康」「OEM」「ブランド」の3つのワードを軸に「本当に良い物」を望む層へのブランディングを展開中です。
 樽川さんは今後の取り組みとして、「子ども達へお米の大切さ、おいしさを知ってもらいたい、米粉に抵抗ない世代を育て、小麦の代替品ではなく『新しい食材ジャンル』として当たり前に選ばれる食材になれるように10年・20年後を見据えて、私にできることを一歩一歩やっていきたいと感じております」と語ってくださいました。


アドバイザーコメント
なぎさ なおこ さん(株式会社フードコミュニケーション 代表取締役)

 なぎささんは、食育料理家としてレシピ作りや、道の駅の立ち上げ、飲食店やホテルのプロデュース、様々な学校機関で食育講座を行うなど、全国各地で、「楽しいと思って食事ができる環境作り」を行っています。2014年には、なぎささんの著作である「キッチンであそぼ」が、料理本のアカデミー賞と呼ばれるグルマン世界料理本大賞ウーマンシェフ部門で世界2位を受賞されました。なぎささんは、「受賞を受けて、世界的に食育が求められているのだな、と感じました」と話してくださいました。
 なぎささんは、自身の介護の経験などから、「人生の最後まで美味しいものを健康に食べることは中々難しい」と感じていたそうです。健康な人を増やしたい、「食べ物は、体とも人ともコミュニケーションが取れるもの」という思いで2017年に株式会社フードコミュニケーションを法人化されました。株式会社フードコミュニケーションの目的は、「食の楽しさ、大切さを伝えること」「人と人をつぐ空間と環境を作ること」「病気で苦しむ人を減らす、病気予防のお手伝いをすること」だそうです。加えて、「経済の健康」も大事にしている、とのことでした。
 食育料理家になった理由については、「一生健康で過ごしたい、健康に過ごす仲間を増やしたい、生きて行く事に欠かせない『食』を一生の仕事にしたい、という思いで今の仕事を行っています」と話してくださいました。


トークセッション

 ここから、ナビゲーターの原亮(エイチタス株式会社)も交えて、特定のお題にそって意見を述べ合うトークセッションが行われました。

 『う米めん』について、なぎささんは、「米粉麺はフォーのイメージがあるかもしれませんが、『う米めん』はもちもち食感でとても美味しかったです。原材料が米粉とでんぷんしか入っていないことも驚きです、シンプルな材料で弾力や、麺がぷつぷつと切れない状態を保てることに感動しました」とコメントしてくださいました。
 樽川さんは、「最初は食塩が入っていましたが、必要ないと判断しました。化粧と食材は引き算が良いと言われているので、シンプルを心がけてきました」と話してくださいました。
 なぎささんは、「半生パスタのような感じなのに長期保存できることも素晴らしいです。防災・ストック食材として、アレルギーがある方でも安心な食材は中々ありません。被災時や防災の時に皆が食べられる『う米めん』はすごく貴重だと思います」とコメントしてくださいました。



 トークセッション後半では、なぎささんが、『う米めん』を用いたレシピ「う米めんでナポリタン」と「お鍋ひとつでできちゃう‼けんちん汁風あんかけ麺」を作りながら、参加者のみなさんとの意見交換が行われました。
 『う米めん』レシピの拡げ方について、なぎささんは、「まず、『ビジュアル』です。食べ物を大切にしている人、食の時間を大事にしている人たちに、『こだわりがあるな、本当に美味しそうだな』と思ってもらえるようにすること、また、『コンセプトが一貫』していることが大切だと思います。あとは、『ターゲット』ですね。どういう人に、このレシピを作って欲しいかを具体的に示した方が伝わるのではないでしょうか。例えば、肌荒れに悩んでいる女性とか、便秘がちで困っている女性は何を食べたら良いか、アンテナを張り巡らしていると思います。今はGoogleやInstagramで検索される方もすごく多いと思うので、そういう人達に刺さるようなキーワードが入っていると良いと思います」とコメントしてくださいました。
 参加者からも、「野菜パウダーとかを練り込んだら面白い、フードロス改善にも繋がるかもしれない」「グルテンフリーなので、小さいお子さんがいる家庭にプレゼントできる」「小麦粉は輸入に依存しているので、有事の際に米粉が日本の食文化になるかもしれない」など、活発な意見がありました。
 最後にOEMについて、『う米めん』の最小ロットは試作10キロ、量産50キロからできるそうです。田植え体験をした子どもたちに、自分たちで育てたお米で作った麺をプレゼントする、など様々なコンテンツに活用できることが示唆され、温かい雰囲気の中、トークセッションは終了となりました。


YouTube動画

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参考リンク


会議概要

  •  日時:2023年11月21日(火)19:00-21:00
  •  形式:Zoomミーティングによるオンライン会議
  •  参加者数:38名
  •  主催:復興庁
  •  企画運営:エイチタス株式会社