Fw:東北 Fan Meeting 2023 東北暮らし発見塾 ~東松島・石巻・女川で知る町の個性と移住生活

Fw:東北 Fan Meeting 2023 東北暮らし発見塾 ~東松島・石巻・女川で知る町の個性と移住生活 イベントレポート


 東北への移住をテーマとした「東北暮らし発見塾(2021年度より12市町村で開催)」、今回は宮城県沿岸部で隣接する3つの地域、東松島市、石巻市、女川町を取り上げ、地域に暮らす移住者や移住支援者の目線で地域の個性を知るオンラインイベントを開催しました。
 新しいチャレンジへの意欲の高さで共通する3つの地域で、お互いの個性はどんなところにあるのかについて、「仕事と人づくり」、「食とお酒」、「お試し移住」をテーマに、隣り合う地域同士でのそれぞれの特徴を探り、移住先としてのイメージを参加者のみなさんとのコミュニケーションも混ぜながら話を膨らませていきました。
 また、「社会や環境がよくなって、そしておもしろい」をテーマとした未来をつくるSDGsマガジン「ソトコト」との連動企画として、同誌の指出編集長を迎え、指出氏とのトークも交えながら両地域への移住を掘り下げました。


(1) 移住者自己紹介
関口 雅代 氏(東松島市 移住・定住コーディネーター)

 関口さんは、地域おこし協力隊として東京から東松島市に移住して8年目です。
 「東松島市で東松島を一番愛している人間だと自負しております。今日は沢山自慢したいです。東京では渋谷・恵比寿で生きてきましたが、今は田舎暮らしを満喫しています。東松島が復興してグレードアップしているのを目にして、日々感動しています」と語ってくださいました。/p>

松村 豪太 氏(一般社団法人ISHINOMAKI2.0 代表理事)

 松村さんは東松島市出身。「日本のローカルは震災前から元気がなくなって久しかったと思います。震災を経験することで沢山の人とつながれる町になったと感じています。今、自由闊達に活躍する人はローカルを選び出していると思います。そんな町を作りたいです」とコメントしてくださいました。


鶴田 真唯 氏(NPO法人アスヘノキボウ インターン生)

 鶴田さんは、福岡県北九州市出身。北九州市立大学で地域創世まちづくり分野を専攻しています。外に出て頑張りたい、一人で行動してみたい、という思いで女川町に来られました。NPO法人アスヘノキボウは、女川町の活動人口創出、人を呼び込むために官民連携でつなぐハブ的要員として活動を行っています。


(2)トークセッション ー東松島市、石巻市、女川町の個性を知る

 ここから、雑誌「ソトコト」編集長の指出さん、ナビゲーターの原亮(エイチタス株式会社)も交えて、特定のお題にそって意見を述べ合うトークセッションが行われました。

 (お題1) 「仕事と人づくり」を語り合う

 東松島市の地域おこし協力隊は歴代32名、現役9名で定住率93%と高い数字を残しています。関口さんは、「地域おこし協力隊の任期終了後、自分で起業する方も多く、チャレンジするフィールドが多く残っています」と話してくださいました。
 松村さんは「石巻市では漁業が中心産業ですが、豊かな平野も広がっていてクリエイティブな農業もありますし、震災で一番被害を受けた雄勝町では、巨大な防潮堤をキャンパスに壁画が描かれた海岸線の美術館や、移住して『みちのく潮風トレイル』のスポットとしてゲストハウスを経営する人が話題になっています。東北には、自分や町の人も気づいていない価値がまだ眠っていると思います。チャンスしかないです」とコメントしてくださいました。
 鶴田さんは、「インターン面談の時に、色々な人と関わりたいと希望しました。現在は、お試し移住の受け入れや広報、プロジェクトの会議、企業の課題解決キャリアゼミなどを勉強しています」とのことでした。地方で起業するために必要な学びを提供するプログラム『創業本気プログラム』も紹介されました。
 指出さんは、「皆さんのようなポップな人たちが前に出て、何かをやりたい人が訪ねやすい空気や経路を丁寧に作られてきたのだな、と感じます」と述べてくださいました

 (お題2) 「食とお酒」

 鶴田さんは、「お試し移住でお酒が好きな方がいれば一緒に飲みに行きます。町長との出会いも飲み屋でした。」と話してくださいました。
 松村さんは、「スナックに入ったことがない方は一度行ってみてほしいです。非常に家庭的で個性的な方々がいます。酒場はコミュニケーションの場で東北の大切な文化だと思います」とのことでした。
 関口さんは、「女性たちが活躍できるようなお酒を自由に楽しめる場所が増えていて、女性だけで飲む人、まちの未来を酒の肴にお酒を飲んでいる人が多い印象があります」と話してくださいました。
 3人の話を受けて指出さんは、「それぞれ酒場が似合う町で、人が会いたい、集まりたいと思える町なのだと感じました。駅前酒場や新しい飲食の取り組みは、皆が楽しいと思えるコンパクトシティのまちづくりだと思います。私も遊びに行きたいです」とコメントしてくださいました。

 (お題3)「お試し移住」

 東松島市では2泊3日から6泊7日でお試し移住ができます。交通費補助もあり、季節ごと年4回、車がなくても活動できるエリアとオーシャンビューの2か所で実施しています。モニターツアーも始まりました。
 石巻市では災害公営受託を活用していて、マンションと戸建ての住居が利用できます。滞在中のレンタカーも無料で借りられます。今年から「東北のハワイ」といわれる網地島で最大30日滞在できるようになりました。
 女川町では最短5日から最大1か月間お試し移住ができます。お試し移住者は大学生が多く、震災復興の道のりや漁業体験など様々な観点から女川町を見ているそうです。
 指出さんは総括として、「お試し移住、3地域とも充実していますね。それぞれ素敵な関係案内人の皆さんがいますのでお試し移住を希望される方は楽しんで行ってください。地域と関わるとウェルビーイング度が高まると言われていますので、日常として接点を持たれることおすすめします。」とコメントしてくださいました。


移住者×参加者同士のブレイクアウトセッション

 移住者と参加者の皆さんが一緒にいくつかのブレイクアウト・ルームに分かれ、「トークセッションの感想」「移住に対する関心事」「東松島市・石巻市・女川町への印象」など移住・くらし・環境についての活発な意見交換が行われました。


参考リンク


会議概要

  •  日時:2023年11月9日(木)19:00-21:00
  •  形式:Zoomミーティングによるオンライン会議
  •  参加者数:20名
  •  主催:復興庁
  •  企画運営:エイチタス株式会社