Fw:東北 Fan Meeting 2023 東北暮らし発見塾 ~釜石・大槌で知る広域の移住生活 イベントレポート
東北への移住をテーマとした「東北暮らし発見塾(2021年度より12市町村で開催)」の既出地域のリピート開催として、岩手県沿岸部で隣接する釜石市と大槌町をテーマに、広域での暮らしについて移住者の話が聞けるオンラインイベントを開催しました。
近代製鉄業発祥の地として産業が栄えた釜石市と、自然豊かなで漁業も盛んな大槌町は、市町内にもそれぞれの文化や特徴を持つ地域がある一方、双方で生活圏が重なり合い、仕事や日常での行き来もある広域のエリアです。釜石市と大槌町、それぞれに移住した方々をゲストにお迎えし、移住者の目線で見た自分の市町と、お隣の市町のイメージや、日常での行き来など含めた暮らしの様子について、お話を伺いました。
また、「社会や環境がよくなって、そしておもしろい」をテーマとした未来をつくるSDGsマガジン「ソトコト」との連動企画として、同誌の指出編集長を迎え、指出氏とのトークも交えながら両地域への移住を掘り下げました。
(1) 移住者自己紹介
黒澤 亜美 氏(大槌町移住定住事務局・移住コーディネーター)

大槌町出身。地元住民の視点から色々なことを伝えたい、とのことでした。
伊藤 将太 氏(大槌町地域おこし協力隊・大槌町移住定住事務局・移住コーディネーター)

岩手県北上市出身。2021年12月大槌町地域おこし協力隊に着任。移住体験ツアーなどの企画などを行っておられます。畑で様々な色の大根やバターナッツカボチャを栽培されているそうです。
岩城 一哉 氏(釜石市移住コーディネーター)

埼玉県出身。8年前に移住。釜石市内の飲食店を紹介するコラムの発信や、子どもたちが中心となって企画するお祭りの主催などを行っています。
佐藤 杏子 氏(釜石市役所 保健師)

奈良県出身。2011年に移住。保健師として地域住民の健康面や生活面の困りごとに対応されています。
(2)トークセッション ー 釜石・大槌・広域の暮らしを知る

ここから、雑誌「ソトコト」編集長の指出さん、ナビゲーターの原亮(エイチタス株式会社)も交えて、特定のお題にそって意見を述べ合うトークセッションが行われました。
(お題1) 自分が移住した地域での暮らしの魅力はどこにある?
黒澤さんは、「大槌町は海と山の距離が近く海辺にシカがいることもあり、心が癒されます。また大槌町民の人の温かさを感じてほしい」とのことでした。
伊藤さんは、「地元の人たちは『助(すけ)の文化』助け合いの文化を代々受け継つがれています。温かな地域です。」とコメントしてくださいました。
岩城さんは、「人の温かさがあります。子供から大人まで挨拶を交わして関係を築いています」
黒澤さんも、「地元の方から引っ越しの手伝いや食材のお裾分けを頂いている。温かいです」とのことでした。
指出さんは、「移住した皆さんが『人の温かさ』に言及していて、両地域を結びつける大事な視点だと感じました。お互いを思いやる共助が残っていますね。海と山が両方あるのも食や人の多様性も感じられ、魅力的な地域です」とコメントしてくださいました。
(お題2) 日常の暮らしでどんな行き来がある?
大槌町と釜石市の行き来は車で20分、電車で30分くらいだそうです。
伊藤さんは、「買い物にも行きますし、作った野菜を卸しに出かけることもあります。また、地域おこし協力隊同士の交流会が活発に行われています」と話してくださいました。
黒澤さんは、「釜石の海に行きます。大槌町の海とは景色が違うんです。また世界遺産の橋野鉄鉱山を見て、リフレッシュしています」とのことでした。
岩城さんは、大槌町にあるサウナ・岩盤浴がある温浴施設、ラーメン屋等に通っているそうです。
佐藤さんも、同じ温浴施設をよく利用している、とのことでした。
4人の話を受けて指出さんは、「地域内関係人口という考え方があります。隣の市町の中で、自分と価値観が似ているという所から、お互いの町を行き来して、ゆるやかに繋がる町づくりは、相乗効果が上がり、『和気あいあい感』が生まれているのではないでしょうか」と指摘されました。
また、移住体験についても説明されました。大槌町では移住の支援として、2泊3日のお試し移住体験や企業でのインターンなどを斡旋する活動をされています。釜石でも6泊7日のお試し移住で保育施設の見学ができるなど、色々な体験プログラムを実施しています。
移住者×参加者同士のブレイクアウトセッション
移住者と参加者の皆さんが一緒にいくつかのブレイクアウト・ルームに分かれ、「降雪や季節の話」「移住をする年齢層について」「交通公共問題の相談」など移住・くらし・環境についての活発な意見交換が行われました。
参考リンク
会議概要
- 日時:2023年10月31日(火)19:00-21:00
- 形式:Zoomミーティングによるオンライン会議
- 参加者数:28名
- 主催:復興庁
- 企画運営:エイチタス株式会社