Fw:東北 Fan Meeting 東北暮らし発見塾(南三陸校)~“いのちめぐるまち”の暮らしとなりわい

Fw:東北 Fan Meeting 東北暮らし発見塾(南三陸校)~“いのちめぐるまち”の暮らしとなりわいイベントレポート


東北への移住をテーマとした「東北暮らし発見塾」、今回は「南三陸校」として、宮城県南三陸町を取り上げ、町長や移住者の話が聞けるオンラインイベントを開催しました。
 南三陸町は、「森里海ひと いのちめぐるまち」というビジョンを掲げ、森、里、海、そして人の暮らしが互いに恵みを循環させるまちづくりを進めています。
 そんな“いのちめぐるまち”で移住者はどのように暮らし、活動しているのでしょうか。佐藤町長から直接まちの魅力をお聞きするとともに、ゲストには、移住支援を手掛けている南三陸町移住・定住支援センターの上野英律さんをはじめ、大学卒業後に関東から移住して農業関連の仕事に就きながら、大好きなスポーツでチャレンジを始めた佐藤茜さん、外資系ブランド販売員を経て、地域コーディネーターとして活躍する西田早織さん、そして、ボランティアで東北に通ううちに、もっと一次産業の生産者に寄り添いたいと移住、今は地域や仲間のために編集コーディネートほか多彩なスキルを活かす「何でも屋」浅野拓也さんなど、南三陸でユニークなキャリアを切り拓いているみなさんをお迎えしました。
 また、「社会や環境がよくなって、そしておもしろい」をテーマとした未来をつくるSDGsマガジン「ソトコト」との連動企画として、同誌の指出編集長を迎え、南三陸町への移住をリアルに掘り下げました。


インプットトーク

佐藤町長×指出氏との対談
佐藤 仁 氏(南三陸町長)

佐藤町長から地域の魅力・取り組みをお話いただきました。
 南三陸町は、震災後から循環型社会の取り組みを続けています。生ごみを肥料に変えて作られたお米「めぐりん米」が紹介されました。
 また南三陸町は、豊かな資源を未来につなげるために、海(ASC)と森(FSC)2つの国際認証を取得。さらにはラムサール条約湿地として登録されました。現在はブルーフラッグ(誰もが安心して楽しめる美しい海の国際環境認証)の取得にチャレンジしているそうです。
 上野さんは、震災以降の移住者について、移住者と地元のコラボが多いことが顕著だと指摘されていました。

佐藤町長は、元々移住者が溶け込みやすい風土だったが、震災で15万人もの人がボランティアに入ってきたおかげで、地元も移住者とのお付き合いに慣れていったと思う、とのことでした。
 指出さんは、自然だけではなく人の連鎖が生まれやすい土地だと示唆されました。
 さらに、南三陸町復興事業の集大成「震災の伝承、防災教育、感謝を伝える」ことをテーマとして今秋オープンした震災伝承館「南三陸311メモリアル」が紹介されました。
 佐藤町長は「全国、世界の皆さんから11年お世話になってまいりましたが、やっとここまで来ることができました。南三陸町にどうぞお越しください」とコメントしてくださいました。


移住経験・支援者の自己紹介
上野 英律 氏(南三陸町移住・定住支援センター)

東京出身の上野さんは7年前、新しいキャリアをみつけたいと考えていました。三陸地域のボランティアなども経験され、当時の東北には、新しい動きがあり、面白い人が集まっていると感じたそうです。その後上野さんは、会社に志願して東北に来ることになりました。
 南三陸町で最初に思った良い所は「命めぐるまち」というビジョンだったそうです。森・里・海の人たちそれぞれにリーダーがいて、同じ方向を向いてみんなで動いている所に面白さを感じたとのことでした。
 また東京と違う点として、生産者との距離が近いことを指摘されました。生産者の方たちともっと仲良くなれないか、一緒に何かできないか、という新しい価値観が生まれたと、コメントしてくださいました。


浅野 拓也 氏(一般社団法人南三陸研修センター)

埼玉県出身の浅野さんは、2014年に南三陸町へ移住されました。一般社団法人南三陸研修センターで研修コーディネーターや町の情報発信をしながら、フリーランスでライターや撮影、映像制作の仕事を行っています。
 浅野さんは、地域の「編集者」という視点で、南三陸町の良い所を挙げてくださいました。
 「好き」が仕事になること
 努力しただけ「できること」が増えて成長実感スキルを得られること
 地方だからこそ「世界」が広がること
 また、南三陸町はブルーオーシャンが溢れていて、自分のスキルとか好きな事で仕事や役立つことがいっぱいある、とのコメントを頂きました。


佐藤 茜 氏(新みやぎ農業協同組合、南三陸ビーチアルティメット実行委員会 委員長)

神奈川県相模原市出身の佐藤さんは、2017年に南三陸町に移住されました。南三陸町の好きな所は、四季折々の美味しいものが豊富にあり自然に恵まれていること、親身に相談に乗って家族のように接してくれる人が沢山いることだそうです。
 佐藤さんは「南三陸ビーチアルティメット」というフライングディスク(フリスビー)を使ったスポーツ大会の取り組みもしています。大会をきっかけに南三陸に来ていただき、スポーツを楽しんで美味しいものを食べて交流をしてもらいたい、とのことでした。


西田 早織 氏(一般社団法人南三陸町観光協会)

埼玉県出身の西田さんは、仕事で南三陸町に派遣されたことがきっかけで2020年に移住してこられました。はじめは半年間と決めて移住したはずが、滞在が伸びて2年経ってしまったそうです。東北の地にここまで長くいるのは自分でも驚きですが、南三陸の魅力があったからだと思っている、とのことでした。
 西田さんは、現在、南三陸町観光協会で広報をされています。プライベートでは地域内外の人との出会いを楽しみ、イベントやアテンドを行っているそうです。西田さんは「人と人を繋ぐマッチングアプリの様な存在」になりたい、と今後の展望を語ってくださいました。


参加者同士のブレイクアウトセッション

この後、移住経験・支援者と一般参加者の皆さんが一緒にいくつかのブレイクアウト・ルームに分かれ、それぞれのルームで、移住の決め手になったことやくらし・環境についての活発な意見交換が行われました。
 「広い話、深い話が多く、沢山の関わりを感じられた」「最新の南三陸の情報が得られてよかった」「町の皆さんの熱量や愛が伝わってきた」などの感想も聞かれ、盛況のうちにセッション終了となりました。

参考リンク


会議概要

  •  日時:2022年9月30日(金)19:00-21:00
  •  形式:Zoomミーティングによるオンライン会議
  •  参加者数:19名
  •  主催:復興庁
  •  企画運営:エイチタス株式会社