11月24日、連携支援制度を用いたイベント
「親子で食育!三陸と福島をつなぐ藻塩づくりを漁師と体験!」が、都内にて開催されました。
【イベント】親子で食育!三陸と福島をつなぐ藻塩づくりを漁師と体験!
【開催日時】2018年11月24日(土)12:00-14:00
【開催場所】東北酒場 トレジオンポート(東京都 港区赤坂3-12-18第8荒井ビル2F)
主催団体であるフィッシャーマンズ・リーグの発足やイベントを開いた経緯を、一般社団法人東の食の会の事務局長、高橋大就氏と一般社団法人RCFの伊勢数磨氏のお二人におうかがいしました。
―「フィッシャーマンズ・リーグ」の発足について
(高橋)「震災後、2013年頃から『三陸フィッシャーマンズ・キャンプ』という団体を立ち上げ、主にマーケティング、ブランディングを学ぼうという趣旨で活動をしていました。
そこには、今回のイベントを主導いただいた山徳平塚水産株式会社の平塚氏、株式会社シーフーズあかまの赤間氏といった、現地の水産業を支える方々もご賛同いただきました。三陸の業界を担うべき若きリーダーが集まってくださったのです。
三陸フィッシャーマンズ・キャンプという名の下、私達は多くの活動を続けてきました。準備は整った、今こそ次のステップへ進もう、開幕しようという声が上がりました。
そして2016年、本団体は『フィッシャーマンズ・リーグ』と名称を変え、新たなスタートを切ることとなったのです。
ちなみに「三陸」という頭の文字を取ったのはメンバーたちが「同じ被災地である福島ともいつか一緒に連携したい」という想いからでした。
―今回のイベントを開催した経緯について
(高橋)私達は大きなビジネスモデルを作ろうと、国内外に発信できるブランドと販路作りに活動の重きを置いていました。しかし、三陸のフィッシャーマンたちからは、もっと「時間軸の長い」活動案が出てきたのです。
それが、「資源管理」と「食育」でした。
この2つの共通点は、「未来」が関係していることです。しっかりと資源管理をしなければ、水産業そのものがなくなってしまう。
かといって、潤沢に資源があっても、それを食べてくれる人がいなければ、事業も伝統も継承されません。
そして、今回のような食育、資源管理をテーマとしたイベントを開催するようになりました。特に食育に関しては、平塚様、赤間様の両名が自分たちから手を上げて始めたものです。
(伊勢)他のメンバーの活動にも派生しています。
例えば牡蠣の食育については、陸前高田の佐々木学氏などが積極的に取り組んでくれています。それに大船渡の千葉豪氏は、自分で大船渡の高校生に水産業の魅力を伝えるような活動もしているのです。
―なぜ連携制度に着目したのか
(伊勢)このイベント以前にも2年前の活動で連携制度を活用させていただきました。
食育など啓蒙活動に関するイベントは、それ単体でビジネスを成立させにくいという要素をはらんでいます。
加えて、イベントを主導する漁師の方々の交通費・宿泊費など、費用面のネックも多いのです。
その点、連携制度は他とは違い、1回限りのイベントにも活用できます。とても使い勝手が良いです。
―今後の活動の展望
(高橋)私達の活動は、いかにして三陸の漁業をマネタイズしていくべきかという課題からスタートしています。ビジネスの要素が強いこの活動については、今回の連携制度などに頼らず、自走できるシステムを整えていきたいと考えているのです。
(伊勢)今回の食育や資源管理など未来への投資的要素が強いものに関しては、先述の通りマネタイズがしづらいという問題があります。
こういう活動こそ、今回活用させていただいた連携制度のように、公的資金が大きな役割を果たすのだと思います。
(高橋)水産業の継承・発展は三陸だけの問題ではなく、産業全体の課題でもあります。
その活動を非営利団体として支えるにあたり、市場原理に乗せるべき部分とそうでない部分とを、しっかり切り分けていきたいです。